嫁姑問題は日本だけじゃない?海外でも嫁姑問題はあるのかを検証 | WhyNot!?JAPAN

嫁姑問題は日本だけじゃない?海外でも嫁姑問題はあるのかを検証

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国際結婚をしている著者は、時々日本人の知人・友人に聞かれる質問があります。それは、嫁姑問題です。「アメリカには、日本みたいな嫁姑問題はないんでしょ?」、と。しかし残念ながら、答えはノーです。アメリカにも嫁姑問題はあります。

 

 

嫁姑問題は日本だけじゃない

アメリカで人気の公開人生相談テレビ番組『Dr.Phil』。ドクター・フィルは心理学者で、スタジオにさまざまな悩みを抱えた視聴者が登場し、ドクター・フィルに問題の解決を指南します。意外にも、ドクター・フィルに寄せられる悩み事で最も多い内容は、嫁姑問題だそうです。大体の場合は、「嫁が孫に会わせてくれない」とか「姑が嫁に意地悪だ」とか「夫(息子)が嫁姑問題に無関心だ」といった相談です。なんだか、どこかでよく聞く内容だと思いませんか?また、日本でも翻訳されているスーザン・フォワードの著書『Toxic In-Laws(邦題:毒になる姑)』が、アメリカでベストセラーになっている事実からも、やはり嫁姑問題は古今東西、万国共通。どこにでも存在するのが分かります。

 

アメリカの義理の家族

義理の家族は英語で、『in-law』と言います。義理の母を、『mother-in-law』、義理の娘なら、『daughter-in-law』、義理の家族全体を、『in-laws』と呼びます。ただし、これは対外的な呼び方です。義理の娘が義母に向かって、「Mother-in-law」と呼びかけることはありません。通常、「Mom」かファーストネームです。ファーストネームで呼ぶところがなんとも欧米社会らしいですね。日本人にはちょっと違和感があり、躊躇してしまうかも知れません。義母に向かって、「孝子」とか「和代」とか呼び捨てするなんて考えられませんよね?

 

アメリカの嫁姑問題の内訳

実際にインターネットで調べてみても、嫁姑問題について書かれている文献が山のように出て来ます。嫁姑問題は英語で、『conflict with mother-in-law(MIL)/daughter-in-law(DIL)relationship』と呼ばれています。ケンブリッジ大学の心理学者の調査によると、4組中3組の夫婦が義理の家族と何らかの問題があると答えています。また性別でみると、女性の60%以上と男性の15%が義母との関係に悩んでいるそうです。そして、その問題に対して彼らは、「居心地が悪い」「ひどく腹立たしい」「気が滅入る」「精神的に参る」「ただただ最悪」と感じています。義母と衝突する原因は、孫の催促、子育てに口を出してくる、年長者だからといって仕切ろうとする、何事も知ったかぶりで押しつけがましい…といったところです(※1)。

 

周りで耳にしたアメリカの嫁姑問題

アメリカにも嫁姑問題はあります!…と断言したものの、なぜか著者の周りには自分も含めて嫁姑問題で悩んでいる友人や知人はほとんどいません。アメリカ生まれのアメリカ人の義母とは問題がない人は多いのです。しかし、アジア生まれのアメリカ人(移民一世)やアジア人の義母を持つ人からは、時折愚痴が聞こえて来ます。

 

最初に、中国人のE。彼女は中国人男性と結婚して、アメリカに住んでいます。ふたりに一人目の子供が生まれたときに著者を驚かせたのは、孫の世話にために双方の母親が交代で、半年有効の観光ビザを取得して海外にいるE夫婦の家に滞在したことでした。それって、妻が不在の間、夫は中国で半年ほったらかし状態。日本ではちょっと考えられませんね。しかし、中国では割と普通のことらしいのです。半年も義母と同居するなんて、考えただけでストレスですね(ちなみに、この話を著者のアメリカ人の夫にすると、嫌がっていました。アメリカ人男性も義母を、気を遣うという意味で苦手と感じる人は珍しくありません。)。E曰く、気を遣い、時々口論になるけど、デイケア代が浮いて助かるので我慢しているとのこと(参考までに、アメリカの新生児のデイケア代は、ひと月1000ドル前後です)。

 

次に、韓国系アメリカ人女性のJ。親の勧めがあり、お見合いすることになりました。お相手は、同じ韓国人男性で、彼の両親は韓国では権力者でした。儒教の国特有なことに加えて、彼が自慢の息子(しかも、長男)とあって、婚約中の段階で彼の母親は事あるごとに口を挟んで来たそうです。Jは高校生の時に移民としてアメリカに来たので、感覚がかなりアメリカ寄りになっていました。母親には逆らえない彼に、とうとう嫌気が差したJ。「アメリカに住んでいるのに、韓国人の義母に気を遣って結婚生活を送るのは御免だ」と、Jは婚約を破棄してしまいました。J本人はスッキリした様子でした。「後々彼の母親が大問題になるのが予測出来たから、問題の目を早く摘み取って正解だった」と話していたのが印象的です。

 

国籍やバックグラウンドによっても違う?

日本を含めて、やはりアジア諸国は親子の関係は密になりがちなのかも知れません。そう言えばフィリピン人の元同僚も、子供とは成人後もずっと一緒に暮らしたいと話していました。念のため、オーストラリア人と結婚してオーストラリアに住む友人にも聞いてみましたが、オーストラリアでも嫁姑問題は日本ほどは耳にしないようでした(ただし、中国系と結婚したお友達は大変だそうです…やはり、アジア人にはよくある問題なのでしょうか?)。

 

他にも、家族との結びつきが強い南米諸国や、欧米諸国の中でも、イタリア、スペイン、ギリシャなどは親との同居率も高いと聞くので、嫁姑問題が勃発しやすいかも知れません。逆に、同居率が低いアメリカやイギリス、フランスなどは、嫁姑問題はマシな方だという話もあるようですね。特にアメリカでは、いくら親子間とはいえ、お互いの家族の問題に口を挟まない考え方が支持される傾向があります。親の方も、年老いても親の尊厳は死守したいし、子供に偉そうにあれこれ指図されたくないという理由で、同居を拒む話は珍しくないのです。とは言え、アメリカは異なったバックグラウンドを持った人々の集合体の国。やはり最後は、個人の人間性、依存度や独立度合いによるところが大きいです。

 

同じ人種でない嫁が気に入らないことも

周りで、姑が自分たちと同じ人種や国籍でない嫁を迎えることが気に入らないという話は時々耳にします。保守的な姑や、非コーカソイドを下に見ている姑からは、言動の隅々に『嫁を受け入れられない・受け入れたくない』気持ちが表れてしまうようです。また、それがハーフの孫に対しても態度に出る義母もいるようです。その場合、白人の孫だけをあからさまに可愛がって、嫁姑問題に発展することも。

 

アメリカ人男性と結婚したMさん。夫の両親は、ドイツ出身のアメリカの移民です。Mさんの夫には兄がいますが、彼もメキシコ人と結婚しています。義両親宅で集まったとき、義母がそれとない感じで言った一言は、「ああ、残念ながら、うちの孫たちには金髪碧眼は一人もいないのね!」でした(Mさんの義母は金髪碧眼です)。義母に悪気があったのかは分かりません。Mさんはそれを聞いて、「そう思っても、いちいち口に出さなくてもいいのに!」と、ちょっと気分を害したと言います。

 

同じくアメリカ人男性と結婚したKさん。夫は東海岸にある州の、白人しか住んでいない田舎の出身でした。結婚後に夫の実家を訪ねたときのこと。義両親と夫と4人で街に出掛けました。行く先々で知り合いに会い、その度に義母はKさんを息子の嫁ではなく、『息子の友達』と紹介したそうです。最初は、言葉の綾だと思って気にしないようにしたKさん。しかし、それが2回、3回と続き、しかも毎回夫がそばにいなかったときに限って『息子の友達』と紹介される一定の法則に気付きました。「これは、確信犯では?」と、深く傷付いたKさん。日本人独特の遠慮で義母を問い質すことはしませんでしたが、しこりが残る、なんとも後味の悪い訪問になってしまいました。「義母からすると、息子には同じ白人女性と結婚して欲しいと思っていたはず」と、Kさんは当時を振り返って言っていました。

 

アメリカの嫁姑問題が日本ほど泥沼になりにくい理由

アメリカで嫁姑問題が泥沼化しない理由は、親との同居率が低い他に、義母と嫁が対等であることがあげられます。日本や韓国などの儒教の影響がある国では、結婚すると『夫の家に嫁ぐ(家に入る)』『目上の人間を敬う』文化があるため、どうしても嫁の立場が弱くなり、結果、嫁が我慢しがちです。しかし、アメリカ人女性(アメリカ生まれのアメリカ人女性)は、日本の嫁姑問題でよくあるような、姑のネチネチしたいじめや嫌味に我慢する人は少ないと思われます。嫌味や、育児関係で自分の納得が行かないことを言われたら、はっきり言い返すか、冗談でやり返すか、適当に流す(相手にしない)かのいずれかの態度に出ます。もちろん、夫はその後、妻の集中砲火に遭って針の筵なのは言うまでもありません。男性の立場としては、出来れば嫁姑問題には関わりたくないのが本音でしょう。その点、日本もアメリカも変わりませんね。

 

アメリカ人の母親も、息子を自分の所有物とは考えていなくても、例外なく、『息子LOVE』の人が多いのです。そして、息子も案外母親には優しかったりするものです(マザコンとまではいかないにしろ…)。だからと言って、夫が妻と母親の間で煮え切らない態度を取り続けたり、妻だけに我慢を強いていると、それこそ離婚問題にまで発展しかねません。それに、たとえ親でも自分の家族には干渉しないで欲しいと思う男性が多いのも確かです。したがって、揉めに揉める前に(それこそ、Dr.Philの番組に出演する羽目になる前に)、妻の側に立つ男性が多いのは、さすが個人主義のアメリカとも言えます。

 

スープの冷める距離が良い

先に、著者の周りには嫁姑問題で悩んでいる人が少ないと書きました。単にたまたま嫁姑問題がない幸運な人が集まっているだけなのかも知れません。しかし、嫁姑問題に悩まされていない友人たちには共通点があります。それは、姑との『ほどよい距離間』です。誰一人として義両親と同居していませんし、同じ市内にすら住んでいない人がほとんどです。著者の義母も、ちょっとパンチが効いたところがある人なのですが、著者は西海岸、義母は東海岸と物理的に離れ過ぎているので、特に問題になりません。おまけに、義母は自分が暮らす州から出たくない上に、著者の夫は数年に一度しか里帰りしないタイプ。義家族との付き合いは実質、電話や手紙がほとんどです。日本で嫁姑問題に悩む人たちからすると、著者の義母との付き合いは、ないに等しいでしょう。

 

その代わり、出産後にてんやわんやだった時には、義母の肉体的なヘルプはもちろん望めませんでした。日本に親がいる外国人妻としては少々ハードだったのも事実です。義家族が近くにいないと、子供のことを気軽に頼める相手がいないので、デメリットとも言えるでしょう。その点を考慮すると、義母が遠方に暮らすのは、メリットでもありデメリットでもあります。とは言え、やはり義母とはスープの冷めるぐらいの距離にいるのが、良好な関係を築きやすく、お互いの精神衛生上にも良いようです。

 

まとめ

国際結婚には嫁姑問題はないはず!と期待して結婚すると、後で「こんなはずではなかった…」ともなりかねません。国や個人差もありますが、多少なりとも嫁姑問題や義家族との問題はあるものだと思っておくのが無難です(そして、嫁姑問題がなければ、宝くじに当選した並みにラッキーです!)。欧米諸国に住む場合は、難しいとは思いますが日本人特有の遠慮は捨てて、『郷に入れば郷に従え』で、気に入らないことは義母にはっきり伝える努力も必要かも知れません。ただ、その場合は、相手の気持ちもよく考えて上手く伝えられる技量と度量を身につけたいものですね。

 

参考文献:

(※1)Have In-Law Issues?

URL:  https://www.psychologytoday.com/blog/mate-relate-and-communicate/201310/have-in-law-issues

 



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この記事のライター

オリビア