アジア人枠がある?!アメリカのドラマ事情 | WhyNot!?JAPAN

アジア人枠がある?!アメリカのドラマ事情

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アメリカのドラマが映画と遜色ないぐらいの費用を掛けて撮影されるため、かなりクオリティーが高いのは、かなり有名な話。近年、ネットで手軽に見られるようになったこともあって、アメリカのドラマは日本でも大人気です。しかし、登場人物の多くが白人で、アジア人は少ないなと思ったことはありませんか?一体どういう理由があるのでしょうか?

 

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出典:http://www.tvgroove.com/

 

ドラマのアジア系の数はどうやって決まる?

多民族国家のアメリカらしく、ドラマ内の人種の割合は、実際のアメリカの人種の割合・構成を反映しているようです。2014年のアメリカ政府の調査によると、アメリカは62.2%の白人、12.4%の黒人、17.4%のヒスパニック系、5.2%のアジア系、2.8%のその他の人種から成り立っています(※1)。マジョリティーが約6割の白人で、マイノリティーが約4割。ドラマの中にもアメリカの人種の多様性や社会背景をなるべく忠実に反映させるよう、ドラマの制作会社は 努めています。例えば、アメリカの病院や学校が舞台になっているのに、登場人物が全員白人だったら、真実味に欠け、人種に偏りがありますよね?アメリカではそういった点にも配慮して、キャスティングが行われます。5.2%の数字からも分かるように、アジア系はアメリカではマイノリティーの中でもさらにマイノリティーに属します(ハワイやカリフォルニアにいると、あまりそうは感じませんが…)。つまり、100人のアメリカ人がいたら、わずか5人しかアジア系ではないということを意味します。この人種の多様性(diversity)をドラマで再現するとなると、どうしても白人の登場人物が多くなってしまうのです。したがって、アジア系の俳優が主要な登場人物に1人いれば、かなりいい線を行っていることがお分かりになりますね?巷では、これを『アジア人枠』と呼ばれているようですね。

 

なかなかアジア系が主役になれない理由

アジア系俳優がドラマの主役になかなかなれない理由は、いくつか考えられます。まずは、前途で述べた通り、アジア系がアメリカではマイノリティーであること。次に、テレビの視聴者の数です。2010年のある調査では、75.8%が白人、12.8%が黒人、11.7%がヒスパニック系、そして、3.8%がアジア系となっています(※2)。ドラマの制作者はなるべく視聴率を稼ぎたいわけですから、多くの視聴者に観てもらうには最も視聴者数が多い白人をターゲットにし、どうしても白人の俳優に主要な役を与えることになります。やはり、自分と同じ人種のほうが感情移入しやすかったり、共感を得やすいのでしょうか?白人の視聴者はアジア系が多数メインで出ているドラマより、白人がメインのドラマを選ぶ傾向があるのは否めません。最後に、需要と供給の関係です。アジア系の主人公同士や、アジア系と他の人種の恋愛(ラブシーンなど)が、視聴者の興味をあまりひかないというのもあるようです。この点は、アジア系の俳優は特に苦戦を強いられています。たとえば、アジア人男性と黒人女性というマイノリティー同士の、実社会でも珍しい見合わせのカップルの恋愛模様を放送したとして、果たして視聴率が取れるか?という問題です。

 

アジア系俳優たちの活躍ぶり

とはいえ、近年のアジア系俳優のアメリカのドラマでの活躍ぶりは目覚ましいものがあります『ニキータ(Nikita)』で主役を務めたマギーQは、母親がベトナム人。『ビューティー&ザ・ビースト(Beauty & the Beast)』で主役を務めたクリスティン・クルックは、母親が中国系カナダ人。ふたりともとびきりの美人で、まさしくハーフのいいとこ取りともいえるエキゾチックな容姿の持ち主です。そのため、異性からだけでなく同性からの支持率も高く、アジア系にして主役に抜擢されるという快挙を成し遂げています。刑事もののドラマ『ハワイ・ファイブ・オー(Hawaii Five-O)』では、ふたりの韓国系俳優ダニエル・ディ ・キムと、グレイス・パクがメインキャラクターを務めています。『ヒーローズ(Heroes) 』では、日系人のマシ・オカが一躍有名になりました。アメリカだけでなく、日本でも話題沸騰中の『ザ・ウォーキング・デッド(The Walking Dead)』では、韓国系アメリカ人のスティーブン・ユアンが唯一のアジア人の登場人物グレンを演じ、多くのファンを獲得しています。しかも彼は、別の人気キャラクターである白人女性マギーと恋に落ち結婚するという、今までのアメリカのドラマではなかなか観ることがなかった役柄を演じています。アジア人男性俳優といえば、映画『ハングオーバー(Hangover)』の大爆笑キャラクターであるミスター・チョーを演じたケン・ジョンや、『サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)』と双璧を成していたお笑い番組の『マッド・TV(Mad TV)』のレギュラーだったボビー・リーなど、コメディアンが多い印象でした。ですので、誠実で心優しく、頼りになるグレンを演じた『TWD』のスティーブ・ユアンの活躍で、アジア系俳優の地位がまた少し向上したのでは?と期待しています。

 

21年ぶりの快挙!アジア系アメリカ人が主役のドラマ

2015年からアメリカで放送されているシットコム『フレッシュ・オフ・ザ。ボート(Fresh Off The Boat)』。このコメディーの主役は、アジア人家族(台湾系アメリカ人)。アジア系アメリカ人が主人公のドラマは、実に21年ぶりだそうです。アメリカの映画やドラマの評価サイトロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)での満足度も93%と、概ね高評価を受けています(※3)。よくありがちな、アジア人を馬鹿にするような内容ではないだろうな?という著者の心配をよそに、移民のアジア系アメリカ人家族のドタバタという内容で、人種云々関係なく楽しめました(ちなみに、fresh off the boatは、スラングで船から降りたばかり=アメリカに移民として到着したばかりを意味します。)アジア系が主人公なので、シーズン2はあるのだろうか?と思っていましたが、そんな心配はよそにこの秋からシーズン3が放送されています。アメリカに住む同じアジア人として、番組が今後も続いて行くよう応援したいところです。

 

おわりに

アジア系俳優にとって、いかにアメリカのドラマや映画で役を得るのが狭き門なのか、お分かり頂けたかと思います。それが、主役級ともなると天文学的確率といっても過言ではありません。そんな状況下、英語のネイティブスピーカーでないにも関わらず、多くの作品に出演している渡辺謙さんや真田広之さんが、どれだけ凄いのかということはもう明白ですね。今後もアジア系俳優がどんどん活躍し、世界での認識がアジア系=ステレオタイプではなく、『カッコイイ!』という風になる日が来るといいですね!

 

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参考文献:

(※1)Projections of the Size and Composition of the U.S. Population:2014 to 2016
URL: http://www.census.gov/content/dam/Census/library/publications/2015/demo/p25-1143.pdf

(※2)U.S. TV Trends by Race and Ethnicity
URL: http://www.nielsen.com/content/dam/corporate/us/en/conference/Race%20and%20Ethnic%20TV%20White%20Paper%20REPORT.pdf

(※3)Rotten Tomatoes: Fresh Off the Boat
URL: https://www.rottentomatoes.com/tv/fresh_off_the_boat



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この記事のライター

オリビア