【服を外に干せない!?】アメリカの洗濯事情 | WhyNot!?JAPAN

【服を外に干せない!?】アメリカの洗濯事情

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渡米して11年経ちましたが、この国での洗濯が非常に億劫です。以前にアメリカ人留学生の友人が、『(アメリカでの)洗濯が嫌いだ』『洗濯のことを考えると憂鬱な気分になる』とこぼしていたのですが、今なら彼の気持ちが痛いほど理解できるのです。今回は、日本とは異なるアメリカの洗濯事情をご紹介します。

 

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出典:https://www.pexels.com/

 

アメリカのアパートの洗濯事情

日本では一部を除いて、アパートやマンションの各部屋に洗濯機置き場があるのが一般的です。ところが、アメリカのアパートでは個人が洗濯機を持つことはまれです。まれというより、正確には許されていないのです。部屋に洗濯機置き場がありません。そこでアパート住まいの人は、敷地内にある共同洗濯場(ランドリールーム)か外部のコインランドリーの使用を強いられます。ランドリールームには通常、数台(コインランドリーだと数十台)の洗濯機と乾燥機が並んでいます。料金は、大体1ドル50セントぐらいから2ドルほど。クォーターでお馴染みの25セント硬貨を投入するか、アパートの住人専用のプリペイドカードを差し込みます。アパートのランドリールームでは近年、プリペイドカード式の洗濯機が増える傾向にあります。どうやら外部者が無断で使用することを防ぐ目的があるようです。カードのお陰で意識的にクォーターを集める必要がなくなり、便利になりました。しかし、500ドルほどで自分だけの洗濯機が手に入ることを考えると、非経済的で洗濯代も馬鹿になりません。

 

アメリカのランドリールームあるある

ランドリールームでの洗濯。これが、想像以上に面倒なのです。使いたいときに、誰かが使っていることは日常茶飯事。大家族がすべての洗濯機を占領していることも。とはいえ、『First come, first served(早い者勝ち)』のアメリカ。そのイライラをどこにもぶつけることはできず、ひたすら待つことしかできません。天候にも左右されます。雨の中、洗濯物を持って外のランドリールームに行くのは困難です。洗濯物を盗まれることもあります。友人は大学の寮のランドリールームで盗難に遭ったと憤っていました。盗んだ洗濯物は古着屋に売られることがあるようです。混んで順番待ちになっている場合は、洗濯が終わる時間になればすぐにランドリールームに行く必要があります。知らない人間に勝手に自分の洗濯物を洗濯機や乾燥機の外に出されるからです。信じられないことに、洗濯したこと自体を忘れてしまったのか、翌日になっても洗濯物を取りにこない住人も。忘れるにもほどがあるだろ!と突っ込みたくなります。また、乳幼児がいる家庭は別の悩みの種があります。洗濯カゴを運びながら、子供は抱っこできません。子供を部屋にひとり置いておくわけにはいかず、必然的に、パートナーや子供を見ていてくれる家族が在宅のときのみ洗濯可能となります。したいときにいつでも洗濯ができるという贅沢…いかに日本の生活が快適で、住宅事情が優れていたかを実感させられます。

 

洗濯は重労働?!

中でも、ニューヨークの洗濯事情がひどいのは有名な話です。エレベーターの付いていないアパートの高層階に住んでる人は悲惨です。洗濯物を大きなカゴや鞄に入れて階段を下り、地下のランドリールームや外部のコインランドリーに向かう。洗濯が終了するまで待ち、また洗濯物をアパートの自室まで持って帰る…かなりの重労働です。考えただけで疲労感を覚えます。ニューヨークのアパートは築年数が古く、水道管の問題もあって、各部屋に洗濯機を置けないと聞いたことがあります。一方、ニューヨークより歴史が浅く、70年代に建てられたアパートが多いロサンゼルス。70年代には余裕で洗濯機が普及していたはず。なのになぜ、ロサンゼルスのアパートの各部屋に洗濯機が置けないのか、未だに謎です。

 

アメリカの洗濯機に多くを求めてはいけない

さて、アメリカの洗濯機は未だに非常にシンプルと言いますか、原始的な物が珍しくありません。一般家庭の洗濯機に関しては、以前より進化して多機能になりつつあります。しかし、アパートのランドリールームやコインランドリーで目にする洗濯機は、20年以上大きな変化はなし。日本の洗濯機には至って標準的であるファジーのような贅沢な機能はありません。例えば、著者の暮らすアパートのランドリールームに設置されている洗濯機の洗いのコースはたった4種類のみ。『Delicate』『Permanent Press(皺や型崩れを防ぐモード)』『Warm』そして、『Hot』。『Hot』を洗濯すると、驚くほどの熱湯が出てきます。『Delicate』を選ぶと冷水が出ます。他にも、『White』『Colors』など洗濯物の色で分けるモードがある機種もあります。

 

洗濯物を破壊されたくなければ…『アレ』が必須!

しかし、『Delicate』といっても、それは水の温度だけの話。決して『Delicate』に優しく洗濯してくれるわけではありません。時折、アメリカの洗濯機は衣服を綺麗にするためにあるのか、それとも破壊するためにあるのか…?と疑問に思うことも。それゆえ、洗濯物を破壊したくなければ、洗濯ネットは必須です。今後アメリカで生活予定の方には、日本から洗濯ネットを持参することを強くお勧めします!『洗濯ネットに入れてもアメリカの洗濯機には任せられない』ような繊細な生地の洋服やいわゆるオシャレ着は、手洗いするに限ります。著者も時々バスタブに入って手洗いに励むのですが、その度にアメリカ人の旦那に「Crazy!」と笑われます。でも、背に腹は代えられません。

 

洗濯物を外に干すべからず

周りに家が見当たらない田舎は別として、住宅が密集した都市部では乾燥機の使用が当然のようになっているアメリカ。洗濯物の外干しを条例で禁止している都市もあれば、コンドミニアム(日本でいうところの分譲マンション)などでは、『景観を損ねる』として禁止している場合もあります。

以前著者が住んでいたコンドミニアムでの出来事です。そこには各宅に洗濯機がありました。旦那が裏庭に毛布を干すと言い出しました。著者は止めようと試みたのですが、「大丈夫、大丈夫」と取り合わなかった旦那。案の定、翌日に他のコンドミニアムの住人から注意を受けました。なんでも、『洗濯物の外干しは、不動産価値を下げる』原因になるのだそう。アメリカでは洗濯物を外に干すことは、ゲットーのイメージを連想させるようです。つまり、『洗濯物を外に干す=乾燥機を買う経済的余裕がない=貧乏』ということなのです。他にも、洗濯物はプライベートなものなので、他人に見られたくない(または、他人のプライベートなものを見たくない)という意見もあります。乾燥機は天候を選ばないし、楽なのは確か。しかし、環境保護の視点からみると、まったくエコではありません。

 

おわりに

日本では毎日洗濯機を回す人も珍しくないでしょう。一方、アメリカで洗濯が週1回だけという家庭が多いのは、家事にあまり時間を掛けたくないお国柄や、洗濯機が置けないといった住宅事情が関係しているようです。目下、洗濯事情を改善を模索中の著者。しかし、一戸建てに引っ越すしか解決策がはないのが残念なところ。せめて、洗濯をしたい!と思い立ったときに、洗濯ができれば良いのですが。

 

そういえば、以前スイスのローザンヌで暮らしていた友人から、興味深い話を聞きました。なんでもローザンヌのアパートには、『洗濯の日』があるところが珍しくなかったのだとか。アパートの住人がそれぞれ何曜日に洗濯するかを大家さんに決められ、それに従う仕組みです。大きいアパートでは2週間に1回しか洗濯できないこともあり、洗濯がなによりも優先事項。友人の旦那さんが所属していた職場では、優先順位は『洗濯の日>会議』という認識。「今日は洗濯の日だ!」と誰かが言い出せば、「それは大変!すぐに家に帰って!」となったそうです。順番制は画期的にも思えますが、アメリカでは絶対無理そうです。これは勤勉で真面目なスイス人だから守られるのであって、権利の主張が激しいアメリカ人が大人しく大家の言うことに従うなんて考えられません。洗濯ひとつとっても、日本、アメリカ、スイス…と、国が変われば事情が変わるもの。ここはやはり、『郷に入れば郷に従え』が賢明なのかもしれませんね。



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この記事のライター

オリビア