今年の夏はどこへ行く?世界の有給休暇事情 | WhyNot!?JAPAN

今年の夏はどこへ行く?世界の有給休暇事情

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もうすぐお盆がやって来ますね。お盆休みを利用して帰省や旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか?お盆や正月、またはゴールデンウイークでないと、まとまった休暇が取りにくい日本。方や、休暇が充実していると言われている欧米諸国。そこで今回は、欧米諸国の有給休暇事情をご紹介します。

 

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意外?アメリカの有給休暇事情は世界でも最低レベル

自由と権利の国アメリカでは、さぞかし長い休暇を取ることが出来るに違いない…これは、著者が実際にアメリカで働き始めるまで思っていたことです。その考えが大きく間違っていたことが、すぐに分かりました。

 

アメリカでは、ヨーロッパ諸国とは異なって労働法で有給休暇が保障されている訳ではありません。おまけに、祝日も少ないのです。勉強不足だった上に、勝手に思い込んでいた著者が悪いのですが、大いに期待を裏切られたように感じてガッカリしたのを覚えています。

 

アメリカでは有給休暇はあくまでも企業次第。有給休暇は福利厚生の一部という位置付けです。5週間の有給休暇を約束している優良企業がある一方、まったく社員に有給休暇を与えない企業も。ちなみに、著者が過去に働いた会社では、初年度の有給休暇が10日、その後は一年ごとに1日追加というところが大半でした。最も有給休暇が少なかった会社では、5日のみでした。

 

フランス人はバカンスのために生きている

『夏が近付くと気持ちが浮ついて、フランス人の仕事のミスが増えて困る…』『担当者が一ヵ月バカンスに出掛けて誰もその案件を知らない…』これらは、著者が日本在住時に勤務していたフランス系企業内で同僚たちがよく口にしていた言葉です。

 

現地のフランス人社員たちは口を揃えて、『フランス人はバカンスのために生きている』とか『バカンスが終わると次のバカンスのことを考える』と言っていました。フランスでは労働法で年間31日の祝日を含んだ有給休暇が法律で保障されています。

 

しかも、社員に有給休暇を取らせることを怠った企業は罰せられると聞いて、『なんて素敵な国なんだろう!次は是非フランスに生まれたい!』と同僚たちと語り合ったものです。

 

最も休暇日数が多いのはどの国?世界の有給休暇事情

有給休暇制度が優れているのは、フランスだけではありません。欧州連合に加盟している28ヵ国では、年次の有給休暇が最低でも20日保障されています。

 

例えば、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、ルクセンブルグ、スウェーデンでは25日、ポーランドでは26日、イギリスでは28日の有給休暇が法律で保障されています。さらに、オーストリアには13日の祝日があり、有給休暇と合わせて最長で38日の休暇が楽しめます。

 

ちなみに、世界一の有給休暇大国はヨーロッパのどの国でもなく、ブラジルです。30日の有給休暇に加え11日の祝日があります。日本人からすると夢のようですね。

 

日本の祝日日数は世界で多いほう

『アメリカにもこんな大型連休があったらいいのに!』『私がもし大統領になったら日本みたいな大型連休を作るつもり!』ゴールデンウイークがやってくるたび、同僚のアメリカ人たちは日本の大型連休を心から羨んでいます。

 

アメリカにはゴールデンウイークのような祝日が集中した大型連休がありません。日本の公的祝日は16日。それに対し、アメリカの祝日は10日のみ。連邦政府が定めている祝日には銀行及び、政府機関は休みとなります。

 

しかし、マーティン・ルーサーキング牧師の誕生日やコロンバス記念日などは学校や一般企業が必ずしも休みになるとは限りません。そんなわけで、『なぜ日本には祝日が多いのか?』とアメリカ人の同僚に尋ねられるたび、『日本では有給休暇が取り辛いから、政府が祝日を多く設定して国民を休ませている』と説明する必要がありました。日本人の有給休暇の消化率が著しく低いということを彼らは知らないのでした。

 

日本の有給消化率は世界最低レベル

日本では法律で保障されている有給休暇が10日あります。でも、日本人の有給消化率は決して良いとは言えません。エクスペディア・ジャパンが28ヵ国の9,424名を対象に昨年行った調査によると、日本人の有給休暇消化率は最下位で、わずか50%に留まっています。

 

一方、ブラジル、フランス、スペイン、オーストリア、香港の有給休暇消化率は100%となっています。日本人の有給休暇の消化率の悪い理由は人手不足もさることながら、何よりも職場での休暇を取り辛い雰囲気にあるのではないでしょうか。

 

休暇に罪悪感の日本人。ドーナツで万事解決のアメリカ人

有給休暇を【周りも取ってないから取れない雰囲気】や【申請し辛い無言のプレッシャー】があるのは、日本での就労経験がある著者も嫌になるほど理解しています。休暇取得に罪悪感がある日本人は、59%にものぼります。

 

日本では有給休暇を取る前も取った後も、上司や同僚に頭を下げて気を使いますよね。休暇を取るのに罪悪感…は、日本人特有の考えかも知れません。そんな発言をすると、アメリカではまったく理解されないと断言できます。少なくとも、著者の周りでそんな奇特(殊勝?)な発想を持ち合わせたアメリカ人には出会ったことがありません。

 

バケーション後の出勤時には、同僚への感謝の気持ちとしてドーナツやお菓子を差し入れている同僚が大半です(アメリカ人だって、それぐらいは気を利かせるのです)。しかし、罪悪感で同僚にペコペコ頭を下げるなんて光景はまったく見られません。

 

アメリカ人もなんだかんだでよく休む

アメリカの有給休暇日数は想像していたより少なかったと書きましたが、著者の周りでは著者も含めてなんだかんだで年間20日はなんらかの休暇を取得している人が大半でした。

 

なぜなら、有給休暇(paid holiday)はわずか10日しかなくても、他に病欠休暇(sick leave)や個人的休暇(personal holiday)などが与えられているからです(ただし、企業によって休暇の名称や内容が異なります)。アメリカの経済が好調だったころは、消化できなかった有給休暇や病欠休暇を換金する企業は珍しくありませんでした。

 

しかし、近年では様々な休暇は使用しなければ年度末で消滅と規定が変わった企業が続出。そのような状況下では、【使わなければ損!】とばかりに休暇を取得するのは当然の流れかも知れません。

 

おわりに

著者は日本への里帰りに毎年2週間の休暇を取得していますが、今のところ苦情は出ていません。アメリカ人にとって、休暇は【持ちつ持たれつ・お互い様】といった認識のようです。著者が以前所属していた部署では、年明けに共有カレンダーに大まかな休暇予定を記入するよう上司から指示されていました。

 

この方法は社員に公平性を示すのとともに、休暇希望の重複を防ぐのに役立っていました。2週間の休暇はフランスに比べると短過ぎると感じてしまいます。ところが、日本にいる家族や友人たちからすると2週間でも羨望の的。

 

上を見るときりがありませんので、今のところ2週間でも満足・感謝しています。しかし、いつの日かアメリカにもフランスのようなバケーションに関する素晴らしい法律が制定されることを密かに願う毎日なのでした。

 

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参考文献:

Here are the countries with the most public holidays  

https://www.businessinsider.com.au/here-are-the-countries-with-the-most-public-holidays-2015-1

No-vacation USA – comparison of leave and holiday in OECD countries

http://www.law.harvard.edu/programs/lwp/papers/No_Holidays.pdf

有給休暇消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016

http://www.law.harvard.edu/programs/lwp/papers/No_Holidays.pdf

 

 

 

 



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この記事のライター

オリビア