アメリカで救急車を呼んだら20万円!? アメリカの救急車事情 | WhyNot!?JAPAN

アメリカで救急車を呼んだら20万円!? アメリカの救急車事情

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私事ですが、10月中旬に急性虫垂炎になって手術を受けました。そこで、今回病気になったことで学んだ諸々のアメリカの医療事情を数回に分けてご紹介します。

 

Ambulance EMI

出典:http://www.falck.com/

 

痛みはある日突然やってきた!さて、どうする?

ERに駆け込む前日の夕方から一晩中、腹痛だけではなく嘔吐、発熱、悪寒に苦しみました。これはちょっとなんかおかしい…と悟ったので、早朝にERへ行くことを決意しました。問題は、どのようにして病院へ行くか。一瞬だけ救急車が頭をよぎったものの、我慢できないことはない痛みだと自己判断し、自分で車を運転して行きました。自宅から病院までは約20分の道のりです。途中、段々痛みが増してきて、痛みを我慢するために呼吸が早くなり、病院の駐車場に着くころには手足が痺れていました。腹膜炎を起こしていなかったのは不幸中の幸いでした。

 

気軽に救急車を呼べない理由とは?

後に、痛みに耐えながらの運転は危険極まりないので、救急車を呼ぶべきだったのかも?と考えました。正直な話、日本に住んでいたなら迷いなく救急車を呼んでいたと思います。でも、アメリカではそんな簡単に救急車を呼べない事情があるのです。アメリカで救急車を呼ぶのを躊躇する一番の理由は、高額だからです。

 

アメリカの医療費が世界一高額であるのをご存知である人も多いと思います。救急車も同様です。日本では、救急車は無料です。こんなに素晴らしく有難いことはありません。しかし、それが原因でこの制度を悪用する人がいることは近年問題視されていますね。日本の救急車もアメリカのように高額なら、タクシー代わりのような気軽さで、緊急性がない症状で救急車を要請する患者の数は確実に減るでしょう。

 

地獄の沙汰も金次第?な救急車の利用料金

さて、アメリカで救急車を利用した場合にかかる料金ですが、住む場所、利用した場所、病院に搬送されるまでの応急処置内容、そして健康保険の内容によって異なります。アメリカではニューヨーク市やホノルルなど大都市になるほど救急車の利用料金が高額になる傾向があります。健康保険がある場合、個人の負担額は平均で300から500ドル前後。

 

もっと安い場合もあります。健康保険の内容(カバーの割合)が良ければ支払いは少なくて済むのです。著者が暮らすロサンゼルスは救急車の利用料金が高い都市のひとつ。調べてみたところ、驚愕の事実が明らかになりました。

 

1. 高度な応急処置が可能な救急車の要請 1970ドル
2. 911から要請があった緊急性が高く、高度な応急処置が可能な救急車 2108ドル
3. 基本の応急処置が可能な救急車の要請 1312ドル
4. 911から要請があった緊急性が高く、基本の応急処置が可能な救急車の要請 1407ドル
5. マイレージ費用 マイル毎に19ドル
6. 待ち時間 30分毎に 111ドル
7. 深夜早朝(午後7時から午前7時)料金 22ドル
8. 酸素ボンベとマスクの使用料金 94ドル
9. 新生児の搬送 211ドル

 

この料金表を見て、救急車を呼ばなくて正解だったと改めて思いました。何でも莫大なお金が掛かりまくりです。心臓発作で救急車を呼んだ患者なら、退院後に請求書を見て心臓発作に再び見舞われてもおかしくない金額です。通りで多くの人が家族や友人の運転やタクシーを利用してERに行くわけです。そして、信じられないことに、今後も全米中の救急車の利用料金は値上がりしていく傾向にあるようです。

 

救急車の要請で消防車が到着のなぜ?

救急車は民間の企業が請け負う場合が大半です。救急車を要請すると、セットで消防車に乗った救急隊員(paramedics)も登場します。著者も自宅付近で消防車のサイレンを聞くことがしばしばあります。アメリカでたとえ大きい梯子者がアパートの前に停まっていても驚くことなかれ。アメリカでは消防車の出動イコール火事とは限らないのです。この点は、日本と事情が大幅に異なりますね。

 

救急車には大体4人ぐらい、消防車にも4人ぐらいの救急隊員が乗車しています。一度の救急車要請で8人の救急隊員が応急処置にあたるのですから、コストがかかりまくりなのは明らかです。救急車の利用が高額であるのもなんだか納得できますね。

 

救急車の利用でも契約書にサイン

救急車を利用するさいのアメリカならではの事情は、【病院までの搬送に同意する契約書】にサインをする必要があることでしょう。著者の友人の旦那さんが過呼吸で意識を失って倒れてしまったときのことです。友人が驚きパニックになって救急車を呼びました。救急車が到着するころには旦那さんの意識が戻っていました。旦那さんは、救急車での搬送を頑なに拒否したそうです。

 

理由は、『救急車の利用が高額で、持っている健康保険ではほとんどカバーしないから』。救急隊員たちとすったもんだの押し問答があった後、救急車は旦那さんを乗せずに引き返して行きました。アメリカは契約社会ですから、嫌がる人を同意なしで無理やり救急車に乗せることはできないのです。結局、友人が車を運転して病院まで旦那さんを連れて行ったそうです。

 

おわりに

日本でもアメリカと同様に救急車を有料化にする案があるようですが、有料化にはやはりデメリットがあることを理解しておく必要があります。アメリカでは低所得者や無健康保険者が緊急の場合でも救急車を呼ぶことを躊躇し、その結果症状が悪化したり、最悪のケースは死亡することが問題視されています。アメリカに暮らして思うことは、救急車を無料にまでする必要はないかもしれないが、誰でも支払い可能な料金設定であればいいのにということです。数年以内にオバマケアは消滅しそうだといわれているので、救急車はお金がある人(健康保険を買う経済的余裕がある人)の特権になりそうです。

 

今後アメリカに旅行や留学をする予定がある方は、救急車は有料であることを心の片隅にでも留めておいてください。そして、お金をケチることなく海外旅行保険に必ず加入することを全身全霊でお勧めします。既往症がない人でも、著者のように急性虫垂炎になったり、事故にあって怪我をする可能性がまったくないとは断言できないからです。最後に、アメリカでの救急車利用は高額であると述べましたが、本当に緊急性のある場合は迷わずに911しましょう。命はお金に代えられません!

 

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参考文献:

General Public Ambulance Rates July 1, 2017 through June 30, 2018
URL: http://file.lacounty.gov/SDSInter/dhs/1021763_SignedGPARadjustmentEffective7-1-17.pdf

 



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この記事のライター

オリビア