異人種間結婚はまだまだ珍しい?ある事件で明らかになった人々の固定観念とは? | WhyNot!?JAPAN

異人種間結婚はまだまだ珍しい?ある事件で明らかになった人々の固定観念とは?

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先日、イギリスのニュース番組BBC NEWSの生放送中に、思わずクスッと笑ってしまうような前代未聞の珍事が発生しました。この様子を見た人たちからは大きな反響が。同時に、人々の固定概念をも浮き彫りにしてしまいました。一体何があったのでしょうか?

 

 

とあるニュース番組での微笑ましいハプニング

それは、釜山大学で政治学の教鞭を執るイギリス人のロバート・ケリーさんが韓国の政治についてインタビューを受けていたときのこと。部屋の後ろのドアがゆっくり開き、身体をクネクネ動かしながら入ってきたのは、ロバートさんの幼い娘でした。少女はロバートさんに近付きますが、ロバートさんは顔色を変えずにインタビューを続行。すると、今度は歩行器に乗った赤ちゃんが登場。次の瞬間、血相を変えた奥さんがもの凄い勢いで部屋に現れます。彼女は慌てふためいて子供たちの手を引っ張って退場させ、ドアを閉めたのでした。この一部始終はYou Tubeにも上がり、世界中で話題になりました。巷ではこのハプニングは概ね好意的に受け取られ、笑いを誘いました。しかし、同時に思わぬ論争も巻き起こしたのです。

 

登場するアジア人女性はナニーか?母か?

子供を撤収させるために登場した女性は、キム・ジャンさんという韓国人女性。紛れもない子供たちの母親であり、ロバートさんの奥さんです。ところが、この生中継やビデオを見た決して少数ではない人たちが、彼女をナニー(乳母・子守)と勘違いしたというのです。この件について、アメリカの大手新聞社Los Angeles Timesでは、『That Asian mom is not the nanny. Why do so many people assume? 』という記事を掲載しました。記事の中では、大勢の人が彼女をナニーと思った原因を紹介しています。主な考えられる理由としては、1)アジア人女性は従順なメイドやナニーといったサービス業に従事しているイメージがある、2)異人種間の両親から生まれた子供を持つ母親は、子供の容姿によってはナニーだと勘違いされやすい、などが挙げられていました(※1)。

 

ステレオタイプが招く誤解や推測

新聞記事で紹介された誤解の原因は、いずれも『ステレオタイプ』が関係しています。いわゆる、特定の人種に対する固定概念です。例えば、中東ではフィリピン人をはじめとするアジア人女性が多く出稼ぎに来ていることから、『アジア人=メイド・ナニー』という固定概念があると以前UAEに住んでいた知人から聞いたことがあります。他にも、日本車が飛ぶように売れている現代のアメリカで、「アメリカみたいな豊かな国に住めてラッキーね」と言われた日本人の友人がいます。日本人からするとリアクションに困る発言ですが、『すべてのアジア諸国=貧困』だと、いまだ信じているアメリカ人も根強くいるのです。日本では、日本人の母親がハーフの子供を連れていても、ナニーだと勘違いされることはまずないでしょう。しかし、国際結婚や異人種間結婚に対して、また違った偏見や固定概念を抱く日本人がいることは、みなさんもご存知の通りです。

 

アメリカで人種に関する質問はタブー

Los Angeles Timesの記事の中では取り上げられていませんが、人種の坩堝と言われるアメリカでも、まだまだ異人種間の結婚に対する偏見は少なからずあります。以前、著者がアメリカ人の元同僚たちと家族の話していたときのこと。どうも話が嚙み合わないと思っていたら、彼女たちは著者の配偶者をてきっり日本人だと勘違いしていたことが判明しました。パートナーが白人アメリカ人だと知ると、少し意外だったという様子でした。このケースは、差別や偏見というより、思い込みが妥当でしょう。アメリカでは人種に関する質問は非常にデリケートであり、時と場合によっては失礼で教養に欠けると捉えられます。ですから、誰かの家族や友人について、「その人は白人?黒人?アジア人?」などと不躾に尋ねることはありません。就職活動においても、日本のように履歴書に写真を貼る必要もないのです。

 

白人の配偶者は当然白人?

著者の周りでは自身も含めて異人種間結婚をした友人・知人が多く、特にカリフォルニア州では白人男性とアジア人女性のカップルはまったく珍しくはありません。そのような環境下では、何をもってして『普通』とするかは非常に難しいところです。ただ、私たちはどうしても自分の基準で相手のことも判断・推測しがちなのは確か。白人は白人の配偶者が、黒人には黒人の配偶者が圧倒的に多い事実から、日本人は日本人(もしくは、アジア人同士)と結婚しているのだろうと思われるのも無理はありません。なんだかんだいっても、同人種間での結婚が一番多いのですから。ロバートさんの奥さんの場合も、夫と人種が違ったことや子供が白人よりの容姿であったことから、ナニーだと勘違いされてしまったのでしょう。しかし、もし白人女性がアジア人の子供を連れていてる場合はどうでしょうか?子供は養子で白人女性はナニーではないと思われる可能性が高いことを考慮すると、やはり人種による意識の偏りは否めません。

 

アメリカにおける異人種間結婚の実態

現在アメリカでは、500万組以上の異人種間結婚カップルがいると言われており、これはアメリカの夫婦全体の約9.5%に該当します。2010年の統計結果なので、今はさらに増えているはずです。人種的な内訳は、白人とヒスパニック系の組み合わせが最も多くて37%、白人とアジア人が13.7%、そして、白人と黒人が7.9%となっています。若い世代では、確実に異人種間結婚に対する抵抗が薄れてきています。それを証拠に、1959年には異人種間結婚に賛成していた人々がわずか4%に過ぎなかったのに対し、2013年にはなんと87%まで上昇しているのです。ちなみに、白人と黒人の婚姻については、白人よりも黒人の方が抵抗がないという結果も明らかになっています。ただし、歴史的にも黒人に対する差別が酷かったことで知られる南部には、まだまだ異人種間結婚に難色を示す65歳以上の人が多いようです(※2)。

 

昔アメリカで異人種間結婚が法律で禁じられていた?< /h6>

『自由の国』で知られるアメリカですが、過去には異人種間結婚が禁止されていました。バージニア州がこれを違法とみなしたのは1967年のこと。70年代に入ると多くの州で異人種間結婚の禁止が撤廃されました(ちなみに、最も撤廃が遅かったのはアラバマ州で、2000年(※3))。ほんの50年前には異人種間結婚は許されていなかったなんて信じられませんね。当時の様子は、1999年に公開されたイーサン・ホークと工藤夕貴主演の映画『ヒマラヤ杉に降る雪』や、コリン・ファースによって映画化され、現在日本でも公開中の『ラビング 愛という名前のふたり』で垣間見ることが可能です。

 

おわりに

現在では当然のようになっている異人種間結婚。しかし、時が違えば結婚出来ないカップルも大勢いたのですね。世界的にも国際結婚・異人種間結婚が年々増加しているとはいえ、まだまだ少数派であることには変わりはありません。今回のBBC NEWSでの一件は、いかに私たちが固定概念にとらわれがちかなど、様々なことを考えさせられる良い機会になりました。そう遠くない未来に、国際結婚や異人種間結婚が特異な目で見られることがない日が来て欲しいものです。

 

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関連記事:【国際結婚】国際結婚で誤解されがちなこと:子供の国籍編

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参考文献:

(※1)That Asian mom is not the nanny. Why do so many people assume she is?
URL: http://www.latimes.com/nation/la-na-bbc-professor-video-asian-wife-nanny-stereotypes-20170310-story.html

(※2)All About The Swirl, Baby! Interracial Couples In The United States…By The Numbers
URL: http://madamenoire.com/432922/swirl-interracial-couples-america-numbers/

(※3)Interracial Marriage Laws History & Timeline
URL:        https://www.thoughtco.com/interracial-marriage-laws-721611

 



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この記事のライター

オリビア